「私…先生が好き…。」


…璃優なのか……?


「璃優…?」


「私、声出るようになったの。今日。」


まじで…?


今泣いていたからもあって、
ちょっと鼻にかかった声。

かわいい声。

口調もはっきりしていて、しゃべり方もおしとやかな感じだった。


「それを、田中さんと報告しにいったとき、婚約者の話をしていて、正直驚いた。」


「…うん」


璃優が話してる。


「その会話を聞いたとたん、聞きたくなくて、逃げ出したくなった。だから逃げた。」



うん。


「でも、どこに行っていいのかわからなくなった。
だから、ここに入った。
心細くて…ばれたくなくて逃げたのに、先生に見つけてもらいたくて…。
でも、ほんとに見つかったから、ビックリした。」



「うん。」



璃優の話を聞く。


璃優…。


愛しくて仕方がなかった。