どれだけ泣いているのだろう。


「婚約者の事だけど、沙織さんはとっくに断ってる。
父さんは納得してくんないし、また正式ではないけど、沙織さんも俺と同意見なんだ。
沙織さんには交際してる人がいる。
だから、沙織さんが両方の両親に断りを持ちかけてくれてる。
ただ、正式じゃないから、表向きでは婚約者のふりをしなければならない。
ある意味めんどくさいけど、破棄するためのことだから…。」


璃優…?


「…璃優。だから俺は…決して、俺は軽い気持ちじゃない。
璃優が好き。
別に…返事は要らない…
ただ…」




「…好き…。」


…?


え?
誰の声…。


璃優…?


「私…先生が好き…。」