「じゃあ、どうして見合いを断るんだ?」


…なぜ、ここでその話を出すんだ…。


「なぜって…沙織さんは……」


視界に誰か写った、
と思ったら。


「沙織さんは?」


「璃優…?」


父さんが聞き返してくるのを無視して、
父さんの後ろの方にいる人物をみた。



「りゆう…?」


父さんは不思議そうに聞いてくる。


「どうした…?」


璃優に近づき、話しかけた。



璃優は横に首を振って、メモ帳に書いた。


"何でもない…あとででいいです!"


「そっか、あとでいくな!」


璃優はうなずき、走っていった。



「瑞樹?」



父さんがいるんだった…。