そういって、自分の荷物を持ち、廊下に出た。


田中さんと歩きながら、俺の診察室に向かっていると。


「瑞樹」


名前を呼ばれた。


声でわかるが、振り返ると。


案の定。


予想通りの人がいた。


「ちょっといいか?」


…はぁ…。


「ごめん田中さんは先に診察室行ってて。これ。」


持っていたカルテを渡し、言った。


「わかりました。」


そういい、歩き出した。


そして、俺の名前を呼んだ人物が近づいてくる。


「瑞樹」




「…なんですか?…父さん」