「最近、何だか怪我が多くないか?」


「そうかなぁ。そうでもないと思うけど……ま、確かにどこかにぶつけたり、指を挟んだりしてるかな」


「怪我しやすい時期ってあるんだよ。なんとなくボーッとしてて。事故にも遭いやすい。気をつけた方がいい」


「うん」


圭吾さんはわたしをギュッと抱きしめた。


「何だか不安だな」


「もう! 圭吾さんは過保護過ぎるのよ」


「だって君に何かあったら、僕はおかしくなってしまうよ?」


「大丈夫よ」

わたしは圭吾さんの額に額をつけた。

「家では圭吾さんが、学校では悟くんが子守をしてるんだから」


圭吾さんはニヤリと笑った。


「悟はともかく、僕は『子守』とは程遠い気分だけど?」


長い指が、わたしの脚を撫で上げた。


「他に傷がないか見せてもらおうかな?」


ま……待って!