「犬と猫がほとんどだけど、中を見てみないかい?」

要さんが言った。

「お気に入りが見つかるかもしれない」


「見ます」

わたしは頷いた。


「じゃ、要と行っておいで。気に入ったのがいれば連れて帰ろう」


圭吾さんの言葉に、わたしは驚いた。


「圭吾さんは?」

「僕はここで待っているよ」

「でも――」

「いいから行っておいで」


おかしい……

絶対に変だよ

いつもの圭吾さんなら、必ずついてくるはずだもの。


「おいで、志鶴ちゃん」


要さんに促されて、わたしは入口に向かった。

途中、二回くらい振り向いたけど、圭吾さんは微笑んで手を振るばかりだ。


「要さん?」


「何だい?」