「女子高生でいられるのは三年間だけよ。楽しまなきゃ」

亜由美が言う。

「美幸がいるうちに、今しかできない事、三人でしよ」


そうか。

圭吾さんが言いたかったのは、こういう事だったんだ。


新しい出会いと経験――これがそうなら、大学へ行くのも悪くないかも。

いい事ばかりじゃないだろう。

でも今のわたしには、相談できる相手も、助けてくれる手もいっぱいある。


「よしっ! 何か元気出てきた」

わたしはパンフレットを揃えて言った。


「さすがは志鶴。単純だわ」

「あら、シンプルでいいじゃない」


ねぇ二人とも、それって褒めてるの? けなしてるの?


それから三人で、行きつけのアイスクリームショップに行った。


お目当ては、季節限定『桜アイス』

桜の花と葉の塩漬けが入った、薄いピンク色のアイスクリームだ。


「ワンコ飼いはじめたんだって?」

亜由美はストロベリーとのダブルにしていた。