わたしと逆ね。


「わたしはここで、羽竜家の一員でいたい」


わたしがそう言うと、亜由美がわたしの肩を抱いた。


「志鶴にも、ちゃんと希望があるじゃない」


「そんなんでいいの?」


「そこから始めるのよ」


そうか


「英文科か国文科あたりが無難じゃない?」


うーん

じゃあ、そのどっちかをダーツで決めようか


ペラペラとパンフレットをめくる。


「痛っ」


「どうしたの?」


「紙で切ったみたい」


わたしは右の人差し指を目の前に近づけた。

小さな傷から血が滲んでいる。


「紙で切ると痛いんだよね。絆創膏あるから指出しな」