「お前、そこは母さんを止める所だろう?」


「だって可哀相じゃない。僕らが大きくなって寂しいんだって」


「冗談ぬかせっ! ゆうべの仕返しだろう? 大人気ないぞ」


「僕はまだ子供だよ。大人気ないのはどっち? そんな小さいのが怖いの?」


悟くんがペロを指差した。


ペロはサークルの中で、舌を出してしっぽを振っていた。


「うわあぁぁぁ! もう連れて来たのか!?」


「それはうちのですよ、叔父さん」

開いた戸口から、圭吾さんが入って来て言った。

「志鶴が、悟に見せたいからって連れて来たんです。それと、怒鳴るのはやめて下さい。志鶴が怯える」


わたしは美月に抱きついたまま、固まっていた。


「先輩、大丈夫ですか? なまはげを見た子供みたいになってますよ」

美月が言った。


なまはげ……そうよ。そんな気分よ。