「家を継いだ時からこうなった。僕の中の龍神の力が怖いんだと思う」


わたしは、圭吾さんの体に腕を回して抱きしめた。


「大丈夫。わたしは怖くないもの。だからついて来てくれなかったの?」


「うん。僕が一緒だと、みんな逃げてしまうからね」


「犬や猫が嫌いなのかと思った」


「いや、好きだよ。あっちはそうじゃないみたいだけど」


かわいそうな圭吾さん。


「わたしの見た子犬はきっと大丈夫。すごく人懐っこいの。今すぐは無理でも、すぐに圭吾さんにも懐くわ」


圭吾さんがわたしをギュッと抱きしめた。


「お前、いい加減にその負け犬キャラ何とかしろよ。見てる方が情けない」

要さんが言った。


『負け犬キャラ』って何?


「仕方ないだろ? この方がウケがいいんだから」

圭吾さんは言い返した。