「悟、お節介を焼くのも程々にしろよ」

圭吾さんもポリタンクを持ち上げながら言った。

「かえって事態を拗らせる事もある」


「圭吾も何か入れ知恵してたじゃない」


「焦るなって助言しただけだよ」


「深いね」

悟くんは、意味ありげにわたしの方を見た。


はいっ? 何かわたしに関係あるの?


「司さん、これも持って行く物?」

車のトランクの中を見ていた優月さんが聞いた。


「優月! ダメですよ。あなたは何も持たなくていい」

司先生が慌てて止めた。


そんな二人を、圭吾さんが穏やかな眼差しで見る。

どこか憧れにも似ていると思った。


「圭吾さん」

小さく呼んだ。


圭吾さんがわたしを見て、微笑む。


これから先、

わたしは何度も優月さんにヤキモチを妬くだろう。