ああ、この子カワイイ!!


わたしは座り込んで子犬を撫でた。

子犬は、しっぽごとお尻をプルプルさせて擦り寄って来る。


「どう?」


どうしよう?


「圭吾さんに見てもらわなきゃ」

わたしがそう言うと、


「自分一人で決められないの?」

アイちゃんが馬鹿にしたように言った。


「そうよ」

だって親父が前に言ってたもの。

「それ、悪徳業者がよく使う台詞よ。信頼できる人に相談して決めるのは、恥ずかしい事じゃないわ」


「要ちゃんと同じ事言うんだね」

アイちゃんは顔をしかめてうなだれた。

「やっぱり要ちゃんの彼女なの?」


「違う。わたしの彼は、車のところで待ってるの」


アイちゃんは、ホッとしたような笑顔を見せた。

本当に要さんの事が好きなんだ……