「やばい」

悟くんは前を見据えたまま、小声で言った。


ペロがじゃれついていた物が、いきなり膨れ上がった。

それは、ザザッと床を擦るような音と共に、わたし達の方に滑るように向かって来た。


「逃げろ!」