「ボランティアでここを手伝ってくれてる子供達だよ」

松子さんが言った。


「よく言うよ」

男の子が笑った。

「みーんな訳ありで、要ちゃんに首根っこ捕まれた奴らさ。ここに放り込まれて松子ババにこき使われてる」


女の子達がウンウンと頷く。


「でも、楽しそうね」


わたしがそう言うと、男の子はニヤリと笑って『まあね』って言った。


「みんな自分の贔屓の子を飼って欲しいのさ」

松子さんは、真っ白い小犬をわたしの腕に抱かせながら言った。

「そりゃあ世話は行き届いてるよ。ここは清潔だし餌もたっぷりとあるからね」


あー、何か分かる。


「でも、愛情が足りない?」

わたしは元気よくすがりついてくる小犬を撫でた。

「こうやって撫でてもらったり、話しかけてもらったり――そういう事が大切なのよね」


「ねえ、お父さんやお母さんは飼っていいって言ってる?」

赤いピアスをした女の子がわたしに聞いた。