「君が言ったのは、この地に対する一種の誓いだ。僕の名前を口にした事で、僕も一緒に繋がれちゃったんだよ」


「でも……でも、わたしには特別な力はないのよね?」


「うん。だけど、元々言葉には力が宿ってるんだ。大和言葉(やまとことば)って、呪術用語から派生してるものが多いからね。悪い言葉は呪いの力を、いい言葉は祝福の力を持ってる。そういう言葉は、誰が使っても少なからず効力がある」


「ゴメン! わたし、どうしたらいいの?」


慌てて謝ると、悟くんは首を横に振った。


「いいんだ。別に嫌じゃない。むしろ、やっとやるべき事が見つかったような、しっくりときた感じだよ」

両手を上げて、大きく伸びをひとつ。

「やっぱり僕たち、前世で双子だった――」


悟くんの言葉が途切れた。


ペロがムクッと起き上がる。


「どうかした?」


「ここの敷地に何か入り込んだみたい」


――って

マジですか?!