「もちろん。でも、全部頼まれる必要はないよ。君ができると思った事と、正しいと思った事だけやればいい」


「それなら、わたしにもできるね」


わたしがニッコリと笑うと、悟くんは少し顔を曇らせた。


「どうしたの?」


「いや……後悔しないでくれるといいなと思って」


「後悔しない」

わたしはキッパリと言った。

「正直言って、わたし、羽竜のお仕事がどれくらい大変なのか分かってないとは思う」

それに圭吾さんが本気で怒った時、どれくらい怖いのかも。

「でもね、ここで、羽竜の一員として生きていく。圭吾さんが好きだから。悟くん達、みんなが好きだから」


「参ったな」

悟くんは頭を掻いた。

「今、その言葉で僕を縛ったの分かってる?」


へっ?


「これで僕はこの地から自由になれない。これからもずっと君を補佐していかなきゃ」


「待って。どうして?」