「情報を制する者は何とやら、さ。兄弟が多いと生き残るのも大変なんだよ」


「よく言うよ。要と一緒に確かめて来るから、僕が戻って来るまで志鶴と一緒にいてくれ」


「了解」


「圭吾さん」

わたしは、立ち上がった圭吾さんに手を差し延べた。

「ごめんなさい。わたし、失敗しちゃったのね?」


圭吾さんはわたしの髪に指を差し入れて、親指で頬をなぞった。


「そうじゃない。失敗したのは僕だ。つまらない感傷で判断を誤って君を危険にさらした」


柔らかなキスが額に落ちてきた。


「すぐ帰って来るからね」