「どうして分かったんだ?」

と、圭吾さん。


「僕が食べたかったから」

悟くんは口をモグモグさせながら答えた。

「僕ら、食べ物の好みが似てるんだよ」


「あっ、それはわたしも思ってた。お昼休みに食べる物、よくかぶるよね」


「ほらね? やっぱり僕ら、生き別れの双子じゃない?」


ない、ない


「そういえばさ、滝田が桜の匂いの話を聞けって言ってたけど?」


悟くんはコーラのグラス越しに、わたしの目を真っ直ぐに見た。