「悟くん? 違う。悟くんは親友で、わたしの『子守』なの」


先生は面食らった顔をした。


「そのうち分かるわ、先生。ここは小さな町だから――あ、来た!」


廊下の方から、怒ったように悪態をつく声がした。


圭吾さん、まる聞こえだってば。


片岡先生が『あらら』と呟いた。


声は保健室の前まで来ると、ピタッと止んだ。


あれ? 入って来ない?


わたしと片岡先生は、ドアをじっと見つめた。


10秒くらいしてから、ノックの音がした。


「どうぞ」

片岡先生が答える。


ドアがカラリと開いて、圭吾さんと司先生が入って来た。


圭吾さんはわたしを見ると、ホッとしたように息を吐いた。


顔色が悪い


やばっ……思いっ切り心配させたかも