アンタのこと、奪ってやろうか?











「杏奈の言う通りだよ。涼一、私に優しすぎ。」



今だって、
歩幅、合わせてくれてる。



私よりずっと身長が高い
涼一だから
もっと早く歩けるはず。



「とにかく、用事あんなら俺に言ってな?俺がうまく言ってやるから。」



「…、うん。」



微笑む彼に私も小さな
笑みを返した。



涼一の優しさが、
私の心に溝を作り始めた。