アンタのこと、奪ってやろうか?











「は?」



「あ、ごめん。なんでもない。」



慌てて口を手でふさいだ。



なんてこと、言ったんだろう。



こんな涼一を真っ向から裏切るような言葉、言うつもりなかった。



どんなに蓮を求めたとしても、涼一を好きでいる以上、彼との関係を深くしちゃだめ。



わかりきってることなのに。



「まさか穂波がそんなこと言うとはな。相当な欲求不満ですか?」



コーヒーを飲み終えたらしい蓮はイタズラに笑いキッチンへ向かった。