「ねぇ、蓮は彼女とか、いないの?」 テレビから漏れる笑い声に包まれた沈黙。 その空間を割った私の言葉。 「彼女?」 「うん、彼女。杏奈がね、あんなにかっこいいのに彼女さんいないのかなって。それで私も思ったの。」 斜め前にいる蓮を真っ直ぐ見つめた。 「彼女、か。…いねぇよ、たしか、三年くらいは。」 「三年?意外…。…、つくらないの?」