アンタのこと、奪ってやろうか?











「こんばんは。」



「あ、いらっしゃいませ。…一人?」



「うん。」



いつものカウンター席。



蓮の声が近くで聞ける。



「こんな時間に来るなんて珍しいな。」



時計は10時半をさしていた。



いつもはもっと早い時間からお店に来てた。



「あと30分で閉店だぞ?」



「知ってる。あと30分で閉店だから来たんだもん。」



「は?」



「蓮の家、行ってもいい?」