「行くって、どこに?」



「は?聞いてなかったのかよ。」



隣に座ってる涼一が
あきれて笑った。



「ごめん。」



「だから、飲み行こ?」



杏奈はもたれていた机から
背中を離し
私の顔をのぞきこんだ。



大学の外での付き合いを
断ることが多い私に
念を押したんだろう。



「行くよね?」



これじゃ、
まるで誘導尋問みたい。