アンタのこと、奪ってやろうか?











「すごい、シンプルな部屋だね。」



リビングの真ん中にあるソファーに腰かけた穂波。



膝を抱えて座る彼女はそのまま部屋全体を見回した。



「必要なもんしか置かねぇからな。」



俺はそう言いながらいれたてのココアを穂波に差し出した。



「あ、ありがと。」



穂波は小さな笑顔を俺に向けそのココアを受け取った。



「…、よくわかったね。私がココア、好きなこと。」



「…、まぁな…」