「あ、桜。」 二人で手を繋いで下校してた私と蓮。 校門の前で足を止めて上を見上げた。 「お前なぁ、桜っつってもまだ蕾じゃねぇか。」 「それでも桜じゃん。」 「だったら木だって桜じゃねーか。」 無邪気な蓮の笑顔が好き。 私は繋いだ手に力をいれた。 「もうすぐ、卒業…だね…」 「そうだな。」 もう一度上を見上げると冷たい風が吹いた。 もうすぐ、三月。