アンタのこと、奪ってやろうか?











「ヤケになんてなってない!」



「そうやって怒るとこもいつもとちげぇって。とにかく今日はもうやめとけ。」



なぜか無償にムカついた。



でも、そのいつもとはちがう“優しさ”に
刺激を覚えた。



「私のこと気遣ってるの?…優しいんだね。」



グラスの中に寂しそうに残ってる氷。



そのグラスを回して音をたてた。



「アンタの彼氏の方が優しいだろ?」