そっと彼女を抱き締めた。 小さくて、壊れてしまいそうな穂波。 それでも、いとおしさが止まらなくて自然と腕に力が入る。 もう二度と離したりしない。 たとえもう一度穂波が記憶をなくしたとしても、次はどんな手使ってでも奪い返す。 それくらい大切なひとだと思った。 「苦しい、よ…。」 そう言った穂波をもっと強く抱きよせる。