アンタのこと、奪ってやろうか?











「私のせいなの…」



そっと触れた唇は、ほろ苦いコーヒーの味。



また、こぼれおちる涙。



「あの日の分の、キスな。」



私の髪を撫でて微笑む蓮。



瞼に落とされた二つ目のキス。



頬に落とされた三つ目のキス。



「蓮…」



「俺の理性の問題だろ。あそこで振り向きさえしなけりゃ事故なんて起こさなかった。」



ゆっくり引き寄せられた体。



「俺が、穂波とのキスを我慢できなかった。だからあの事故は俺のせいで起きたんだ。」