これは、何?



真っ白な頭の中で、優しい声が響く。



懐かしくて、切ない。



あ、そう。



私の大好きな声。



その声で名前を呼ばれる度に高鳴る鼓動。



低くて甘い、貴方の声。



どうしようもなく惹かれる、声。



「穂波!穂波!!ほな……」



真っ白な中の一筋の光。



あの日途切れた意識のなかで、最後まで私の名を呼んでくれてたのは、
まぎれもなく
あのどこか懐かしくて、どこか切ない、
蓮の声だ。