アンタのこと、奪ってやろうか?











「なぁ、穂波?」



彼女の瞳はうっすら涙が覆っていた。



合ったままのその瞳は綺麗すぎるほど輝いていた。



そんな瞳に恋をした俺は、別に後悔なんかしていない。



彼女を好きになって、本当に良かった。



だから、あとは彼女の幸せを、ただ願う。



ただ導く。



俺にできるのはそれくらいだ。