俺は冷たいアスファルトの地面から立ち上がり少しあった涼一との距離をつめた。 「もう、会うつもりねぇから。これ、返しといてくれ。」 俺の手にあったハートストーンのネックレス。 俺が、穂波に贈った。 それが、今でも残るたった一つの俺たちの証し。 穂波が俺を忘れても、 離さずもってくれていた、 大切な、ハートストーン。 無意味なことは承知だった。 でも、どうしても彼女の手元に返したかった。