アンタのこと、奪ってやろうか?











あの日から私は
よくあのバーへ足を運んでいた。



みんなで行くときもあれば
一人で行くときもあった。



「今日は、一人なんだな。」



入り口を開けると広がるカウンター席。



その奥にいるこのバーテンダーとは顔見知りになった。



一人で行くときはいつもカウンター席。



この、懐かしくて
切ない
そんな声を
近くで聞いていたい…

そう思ったことは一度だけじゃない。