美味しそうな香りがリビングまで届く。 蓮が料理してる姿も見てみたかったからこっそりキッチンを覗いてみた。 「なに?つまみ食いでもしに来たか?」 手慣れた手つきでフライパンを動かす蓮は私を見つけてそんな意地悪を言う。 「そんなんじゃない。ただ、蓮の料理してるとこ見たかったの。」 「なんだそれ。」 さっきより大袈裟に笑う彼。 フライパンの火を止めると少し離れたところにいた私を手招きした。