そう思って走り続けているうちに、俺は「楽しむ」ことができなくなっていた。




勝つことが当たり前。


俺以外の、みんな敵。




走れ、走れ、走れ。




横なんて見るな


後ろなんて振り返るな


何も見なくていい


ただ走っていればいいんだ




「走る」と言う行為はやめられない


「走る」こと自体は大好きなんだ。



でも、なんで?どうして? 楽しくねぇよ。



どんどん速くなってるのに


誰も俺を抜かせないのに


俺が一番なのに



嬉しくないよ。




ねぇ、なんで?