陸上部に入部したら、私は一番じゃなくなった。
一人だけ、どうしても追いつけない人が出てきた。
「くやしぃ~!! また追いつけなかったぁ!!!」
「まだまだ女子には負けねぇよ!」
廉條琉威。
先輩にも、同級生にも、みんなに勝ったのに
どうしても、琉威にだけは勝つことができなかった。
私だって速いのに
琉威はもっと速い。
なんで勝てないんだろう
そう思っていっぱい練習したけど、
私が速くなっても、琉威はもっと速くなる。
ちょっとの差が埋まらなくて
私はいままで以上に陸上に打ち込んで、今まで以上に夢中になった。
毎日が、すごくキラキラしてた。


