頭ん中でいろいろと考えてると、自分でも気づかないうちに、私の表情は曇ってたみたいで。
ばんっ、と、頭に予想もしていなかった衝撃が走った。
気を抜いてたからか、その衝撃は何倍にも跳ね上がって感じて。
「いっ、たぁ…っ 何?!」
私は涙目で、琉威を睨んだ。
琉威は、私の頭を豪快にぶん殴った手を軽く振りながら、私のことを真剣な目でじっと見ていた。
「くだんねぇこと考えんなよ」
その手を、私の後ろでひとつに結んだ髪に滑らせる。
「…考えてないし」
「じゃあなんで暗い顔した?」
「してないよ」
なんで全部ばれちゃうんだよ。
あんたの隣で飛べないのかなって考えたらちょっと寂しくなっちゃったのよ。
でも、ひねくれ者の私は、素直にそんなこと口にできないから。
「なんもないってば」
こんな、心にもないこと言っちゃう。
また、私の気分は重くなる。
すると、
「ほら、また!」
「…うわ…っ?!」
突然、私の頭が後ろにひっぱられる。
「…っちょ! 髪、放して!」
さっき琉威が手にとった、私の髪。
琉威がぐいぐいと引っ張っていた。
「無駄なこと考えんなっつってんだろ」
「……」
またバレた。
「お前がなに考えてっか知んねぇけどな」
琉威が真剣な顔でゆっくりと話し出す。
私は、素直に耳を傾けた。
「いんだよ、難しく考えなくても」
髪を放して、優しく優しく私の頭を撫でる。
そして、琉威は、私が欲しかった言葉をくれた。
「俺たちは、ずっと一緒に走んだ」
――――“ ずっと 一緒に ”――――


