大空へ





そして、練習が始まった。


準備運動を済ませ、私たちは狩眞先生の周りに集まる。


みんな、厳しい先生の練習内容を言われるのが不安なのか、どこか緊張してるようで…。


少しピリッとした空気の中、私はただただワクワクしていた。



早く、速く、走りたいよ!


高校初めの一本は最高の形で決めたいな。



私より速い人は何人いるだろう


琉威より速い人は何人いるのかな


先輩はやっぱり速いかな



まぁ、誰がどれだけ速くても私には関係ない。


私は誰にも負けないんだから


琉威にだって負けない。



大好きで、すごく速くて、尊敬してるから


絶対琉威にも、誰にも負けない。


「ねぇ、琉威」


「ん?」


「私に負ける前に、誰かに抜かされたら許さないよ」




―――――




私たちの間に、風が駆け抜けていく。



琉威は、この風より速く走るの。


見せて。 そして魅せて。




あなたの羽ばたきと


「ったりめーじゃん」


その笑顔



私のライバルはあんただけって証明してみせて。






「じゃあまずはお手並み拝見かな」


狩眞先生の声が、どこか遠くに聞こえてくる。


「とりあえず一本ずつ走ってみろ」




待ってましたとばかりに、私たちは踏み出す。





さぁ行こう


私たちのスタート