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「廉條琉威」「咲坂遊紀」
「「陸上部、入部希望!!」」
私たちは、同時に叫んだ。
お互いに服を引っ張り合って、邪魔をし合って駆け込んだ職員室。
琉威も私も、肩で息をして疲れきっている。
職員室から一番離れた1年の教室からノンストップで走ってきたから疲れるのも当たり前だろう。
琉威の、さりげなくオシャレにセットされた髪も、ぐしゃぐしゃに崩れてしまっている。
そんな残念な髪を撫でつけながら、琉威は心底悔しそうに言った。
「ぜってー1番に入部しようと思ってたのに」
唇を尖らせて、私の頭を軽く小突く。
「いっつもお前は同時に来るよな」
相変わらずの憎まれ口。
でも表情は、少しの悔しさと、それ以上の楽しさ。
なんだかんだで、やっぱり琉威は優しいね。
そんな琉威だから
「当たり前でしょ」
あんたが行くところには、私も隣にいたいんだ。


