大空へ





廊下を駆け抜ける、ふたつの足音


時に競い合うように

時に並んで笑うように


楽しそうに、足音は駆ける。




焦って転びそうになるのも構わない。


ふたつの足音は、はしゃいでいた。




「俺が一番に入部届出すんだ! ついてくんなっ」


「なに言ってんの! 私だって出すのっ!」


「ゆっくり来ればいいじゃねぇか! 廊下は走るな!」


「はぁ?! 悔しいけどあんたのが速く走ってるじゃん!」



私より先を走るこいつ


私のライバル、琉威。



追いつけそう


追いつけない


風を切って あなたは飛んでる



私より力強い羽ばたきなのが悔しくて



「まぁ追いつけないだろうけどなっ! 先行くぜ~」



でも、

私より先に道を切り開いていく姿がかっこよくて


私より前を走るその背中が、大好きで…



「待ってよ!」



私は、追いかけてばっか。


背中を見てるばっか。



だけど

一緒に飛べる。



あなたは先に行くけど


「お前も早く来いよ」



あなたは私をおいてかないの


絶対に後ろを振り向いて、私を見てくれるの




だから、すごく悔しくても、絶対に嫌いになれない。


そして、絶対にこう言っちゃうんだ。



「うんっ!」


笑って、あなたの後を走っちゃうんだ。