(やはりこの子を選んだ奴は見る目があるな。
演技もできる。)
俵屋は思った。

「しかし、こうしていると娘ができたようで嬉しいな。」

俵屋の言葉を聞いて、風空は照れ臭そうにつぶやいた。

「私も本当のお父さんみたいで嬉しいなあ...。」

もう20歳の風空だが、幼い頃に父を亡くした彼女にとっては父は永遠の憧れなのだ。
それに、周りが年上ばかりだったせいで妙に背伸びしてしまって本当の精神年齢は中学生止まり。良くて高校生である。
まだまだ甘えたい。
今日出会ったばかりの俵屋に懐くのは近い将来のことである。

さて、タイムマシンの扉が開かれた。

「出発だ。行くぞ楓子。」
「うん。頑張ろうねお父さん。」

2人が降りたタイムマシンは未来へと帰っていった。
次に乗るのは1年後。