店に入ると、すぐ右手側に二階に続く階段がある。
使い込まれた手摺が、いつも聡の手によってピカピカに磨き上げられていた。
写真館だったころは、二階にスタジオと暗室があった。
幼い良太郎と英吾が、暴れまくって七五三の写真を撮ったスタジオだ。
今、二階は仕切のない小さなホールのようになっている。
いずれ、二階も何かに使いたいと聡は考えているらしいが、今のところ、写真の展示などをしたいという人に、ギャラリーとして貸したりしているらしい。
秋には、道代が趣味で続けているトンボ玉作りの成果を、ここに展示することになっていることを良太郎が知ったのは、最近のことだった。
今の時代とあっては、レトロと言う言葉が似合う外観だが、建てられた当時なら、ハイカラという言葉が使われていたであろうことが容易に想像がつくその外装も、このカフェの自慢だった。
改装時に塗り直された淡い若草色の外壁と深い緑の屋根が、いっそう、このレトロな洋館の可愛らしさを強調していた。
使い込まれた手摺が、いつも聡の手によってピカピカに磨き上げられていた。
写真館だったころは、二階にスタジオと暗室があった。
幼い良太郎と英吾が、暴れまくって七五三の写真を撮ったスタジオだ。
今、二階は仕切のない小さなホールのようになっている。
いずれ、二階も何かに使いたいと聡は考えているらしいが、今のところ、写真の展示などをしたいという人に、ギャラリーとして貸したりしているらしい。
秋には、道代が趣味で続けているトンボ玉作りの成果を、ここに展示することになっていることを良太郎が知ったのは、最近のことだった。
今の時代とあっては、レトロと言う言葉が似合う外観だが、建てられた当時なら、ハイカラという言葉が使われていたであろうことが容易に想像がつくその外装も、このカフェの自慢だった。
改装時に塗り直された淡い若草色の外壁と深い緑の屋根が、いっそう、このレトロな洋館の可愛らしさを強調していた。


