正確には、それまでにも二度、店の前まで足を運んだことはあった。
しかし、間が悪かった。
何故か、基本的には休みは不定休で滅多なことでは休むことはないと評判の店が、珍しく休みをとっている日だったり、或いは、保育園に通う子どもたちの母親たちが店を貸切にして謝恩会をしている日だったりして、良太郎は店の前まで行っても店に入ることができず、すごすごと退散してくるしかなかった。
初めて店に入った日。
カウンター席に陣取り、聡の様子を眺めていると、思いかけず、愛想良く相手に合わせて、にこやかな顔でそれなりに喋っていた聡の姿を見ることができ、良太郎は内心で驚いた。
聡に曰く「ちょいちょい店に来るのは、子どものころから知っているおばちゃんたちだからな。口喧しいところはあるけど、ここいらのおばちゃんたちなんて、オイラには母ちゃんみてえなもんだべ。なんとかなる」ということらしい。
実に聡らしいその言葉に、良太郎は笑った。
しかし、間が悪かった。
何故か、基本的には休みは不定休で滅多なことでは休むことはないと評判の店が、珍しく休みをとっている日だったり、或いは、保育園に通う子どもたちの母親たちが店を貸切にして謝恩会をしている日だったりして、良太郎は店の前まで行っても店に入ることができず、すごすごと退散してくるしかなかった。
初めて店に入った日。
カウンター席に陣取り、聡の様子を眺めていると、思いかけず、愛想良く相手に合わせて、にこやかな顔でそれなりに喋っていた聡の姿を見ることができ、良太郎は内心で驚いた。
聡に曰く「ちょいちょい店に来るのは、子どものころから知っているおばちゃんたちだからな。口喧しいところはあるけど、ここいらのおばちゃんたちなんて、オイラには母ちゃんみてえなもんだべ。なんとかなる」ということらしい。
実に聡らしいその言葉に、良太郎は笑った。


