-一緒に暮らせば、お互いそれなりに煩わしい思いをすることにもあるだろう。
-それでも、自分ももうすぐ還暦だ。動けなくなることもあるかもしれない。
-気楽に行き来できるところに、お前たちが住んでくれたらうれしい
同居を申し出た息子夫婦に、源次郎はそう言い諭し、そして、良太郎家族と源次郎はお隣さんとして暮らすことになった。
源次郎が亡くなり、四十九日の法要も済んだ頃。
源次郎の家について、信二を含め叔父叔母皆が集まって、なにやら話をしていたようだが、その家は未だそのまま残っていた。
自分が口を挟む話じゃないしなと、良太郎は今までそのことを尋ねたことはなかったのだが、道代が足を運んで掃除をしているところをみると、少なくとも処分したわけではないのだろうと思い、思い切って尋ねてみたのだ。
「家はね、父さんが貰ったのよ」
「へえ。税金とか、大丈夫だったの?」
細めた目で写真を眺めながら、道代はゆったりとした口調で良太郎の質問に答えた。
-それでも、自分ももうすぐ還暦だ。動けなくなることもあるかもしれない。
-気楽に行き来できるところに、お前たちが住んでくれたらうれしい
同居を申し出た息子夫婦に、源次郎はそう言い諭し、そして、良太郎家族と源次郎はお隣さんとして暮らすことになった。
源次郎が亡くなり、四十九日の法要も済んだ頃。
源次郎の家について、信二を含め叔父叔母皆が集まって、なにやら話をしていたようだが、その家は未だそのまま残っていた。
自分が口を挟む話じゃないしなと、良太郎は今までそのことを尋ねたことはなかったのだが、道代が足を運んで掃除をしているところをみると、少なくとも処分したわけではないのだろうと思い、思い切って尋ねてみたのだ。
「家はね、父さんが貰ったのよ」
「へえ。税金とか、大丈夫だったの?」
細めた目で写真を眺めながら、道代はゆったりとした口調で良太郎の質問に答えた。


