その当時では、かなり値の張った一眼レフの大きなカメラを肩に担ぐように持って、良太郎と英吾を写そうとしていた祖父を見つけたのは英吾だった。
良ちゃん、良ちゃんと、はしゃいだ声で良太郎を呼んだ英吾は、良太郎の祖父を指差し駆けだしていった。
良太郎も負けじと後を追い、二人でカメラに向かいポーズをとった。
その長く大きなレンズが物珍しかったのか、近くにいた他の児童も集まり、みんなでピースサインを作ってカメラに写った。
懐かしいなあ。
蘇った記憶に、良太郎は自然と微笑んだ。
読書と写真。
それが亡くなった父方の祖父、源次郎の趣味だった。
つい最近、三回忌が終わったところだった。
ある意味、良太郎の人生にもっとも影響を与えたのは、源次郎だったかもしれない。
良太郎の記憶にある源次郎の姿は、煙草を吹かしながら縁側で本を広げているか、大きなカメラを構えているかのどちらかと言っても過言ではない。子どもの良太郎にとっては、どちらも格好いい姿だった。
良ちゃん、良ちゃんと、はしゃいだ声で良太郎を呼んだ英吾は、良太郎の祖父を指差し駆けだしていった。
良太郎も負けじと後を追い、二人でカメラに向かいポーズをとった。
その長く大きなレンズが物珍しかったのか、近くにいた他の児童も集まり、みんなでピースサインを作ってカメラに写った。
懐かしいなあ。
蘇った記憶に、良太郎は自然と微笑んだ。
読書と写真。
それが亡くなった父方の祖父、源次郎の趣味だった。
つい最近、三回忌が終わったところだった。
ある意味、良太郎の人生にもっとも影響を与えたのは、源次郎だったかもしれない。
良太郎の記憶にある源次郎の姿は、煙草を吹かしながら縁側で本を広げているか、大きなカメラを構えているかのどちらかと言っても過言ではない。子どもの良太郎にとっては、どちらも格好いい姿だった。


