良太郎の小説に限らず、英吾が小説を読むということ自体、まずないと言っていい。
おそらく、夏目漱石と江戸川乱歩の有名作品を並べて、どれが誰の作品が当てさせようとしても、英吾なら間違いなく不正解を導き出すだろう。
それくらい、子どもの頃から本を読むことが英吾は苦手だった。
だからこそ、そんな英吾が自分の弱点に気付いたとは思えなかったのだ。
良太郎のそんな思いが夏海にも伝わったらしい。
「西島に、何か考えがあったのかどうかは、私にも判らないけど。この企画を聞かされたとき、単純に三島良太郎にはいい企画かもって思ったわ。正直、ウチの売り上げに、どれだけ繋がるかは謎だけどね」
夏海がさばさばした口調で、言葉を続ける。
「まあ、そういうこと、時々やってみるのも面白そうだし。まあ、売上が極端に下がる事はないだろうから、やってみてもいいかなって」
そこまで言った夏海は、ややいたずらめいた笑みを浮かべて見せた。
おそらく、夏目漱石と江戸川乱歩の有名作品を並べて、どれが誰の作品が当てさせようとしても、英吾なら間違いなく不正解を導き出すだろう。
それくらい、子どもの頃から本を読むことが英吾は苦手だった。
だからこそ、そんな英吾が自分の弱点に気付いたとは思えなかったのだ。
良太郎のそんな思いが夏海にも伝わったらしい。
「西島に、何か考えがあったのかどうかは、私にも判らないけど。この企画を聞かされたとき、単純に三島良太郎にはいい企画かもって思ったわ。正直、ウチの売り上げに、どれだけ繋がるかは謎だけどね」
夏海がさばさばした口調で、言葉を続ける。
「まあ、そういうこと、時々やってみるのも面白そうだし。まあ、売上が極端に下がる事はないだろうから、やってみてもいいかなって」
そこまで言った夏海は、ややいたずらめいた笑みを浮かべて見せた。


