「うちみたいな雑誌は、正直、定期購読者は少ないわ。店頭で特集記事の内容見て、面白かったら買っていく、そういう人が大半。そりゃ、三島良太郎の連載が決まれば、それを目当てに定期購読してくださる方もいるかもしれないけど。基本、前後の内容を気にしないで楽しんでもらいたいの。そうなると、やっぱり読切でないとダメだと思うのよね」
「理屈としては判りますけど。だったら、エッセイでもいいですよね」
粘る良太郎に、夏海は笑った。
「西島は、小説って言ったと思うだけど?」
「言いました。はい」
どう足掻いても条件は変えられそうにないなと、良太郎は襟足を掻いた。
読切で掌編かあ。
困ったことになったなあと思案するように、その顔を顰める。
「三島良太郎にとっても、いい勉強になると思うんだけど?」
違う?
良太郎が何を思い悩んでいるのか、そんなことはお見通しだというような口ぶりでそう尋ねる夏海に、良太郎は全面降伏したかのように、ソファーに突っ伏すようにして倒れ込んだ。
「理屈としては判りますけど。だったら、エッセイでもいいですよね」
粘る良太郎に、夏海は笑った。
「西島は、小説って言ったと思うだけど?」
「言いました。はい」
どう足掻いても条件は変えられそうにないなと、良太郎は襟足を掻いた。
読切で掌編かあ。
困ったことになったなあと思案するように、その顔を顰める。
「三島良太郎にとっても、いい勉強になると思うんだけど?」
違う?
良太郎が何を思い悩んでいるのか、そんなことはお見通しだというような口ぶりでそう尋ねる夏海に、良太郎は全面降伏したかのように、ソファーに突っ伏すようにして倒れ込んだ。


