良太郎と同じく都内の大学に進学した夏海は、卒業と同時に地元で小さな出版会社を立ちあげた。
その当時、高校生だった良太郎たちは夏海のそのバイタリティーにただただ感服していた。
最初のうちこそ、実家住まいをしていた夏海だが、良太郎たちが高校生三年生になるころにはこの団地にある実家を出て、会社にほど近い場所に部屋を借り一人暮らしを始めていた。
休みの日ともなれば、時折、実家に顔を見せ、そのついでに三島家にも顔を見せては道代と楽しげに話し込んでいくこともあったが、良太郎が大学進学のため実家を離れると、ほぼ顔を合わせることはなくなった。
良太郎が作家として世に出てから、英吾を通じてインタビューなどを申し込まれることが何度かあったが、そんなときでも、毎日忙しく飛び回っている夏海はなかなか参加できず、だから電話で声を聞くことはあってもこうして顔を合わせるのは、実はかなり久しぶりのことだった。
学生時代はバレーボールに打ち込み、インターハイへの出場経験もある夏海は、英吾よりもさらに長身で、それだけでも迫力がある。
けれど、笑うと咲き誇る大輪の花のような華やかさがある夏海に、相変わらず、派手な美人さんだなあなどと考えながら、良太郎は夏海の顔をぼんやりと眺めた。
その当時、高校生だった良太郎たちは夏海のそのバイタリティーにただただ感服していた。
最初のうちこそ、実家住まいをしていた夏海だが、良太郎たちが高校生三年生になるころにはこの団地にある実家を出て、会社にほど近い場所に部屋を借り一人暮らしを始めていた。
休みの日ともなれば、時折、実家に顔を見せ、そのついでに三島家にも顔を見せては道代と楽しげに話し込んでいくこともあったが、良太郎が大学進学のため実家を離れると、ほぼ顔を合わせることはなくなった。
良太郎が作家として世に出てから、英吾を通じてインタビューなどを申し込まれることが何度かあったが、そんなときでも、毎日忙しく飛び回っている夏海はなかなか参加できず、だから電話で声を聞くことはあってもこうして顔を合わせるのは、実はかなり久しぶりのことだった。
学生時代はバレーボールに打ち込み、インターハイへの出場経験もある夏海は、英吾よりもさらに長身で、それだけでも迫力がある。
けれど、笑うと咲き誇る大輪の花のような華やかさがある夏海に、相変わらず、派手な美人さんだなあなどと考えながら、良太郎は夏海の顔をぼんやりと眺めた。


