その人物たちを選定している最中に、良太郎が作家として世に出た。
良太郎の単行本が書店に並ぶと、さっそくとばかりに英吾を経由して夏海からインタビューの申し込みがあった。
英吾からその企画の内容を聞いた良太郎は「無理無理無理」と即答で、首を横に振って断った。
-俺なんて、全く有名じゃないから
-そんなことないって。本いっぱい並んでるもん
-バカ。並んでると有名は別だろ
-あーっ、バカって言ったねっバカって言ったほうがバカなんだからねっ
平行線のそんな押し問答は二週間にも渡り続いた。
その頃の良太郎は、まだまだ自分のことを小説家などと胸を張って言える気持ちにはなれなかった。
たった一冊、世に出ただけなのだ。
これっきれで終ってしまうことだって考えられた。
そんな自分が地方情報誌とは言え、インタビューを受けて紙面に載るなどおこがましい。そんな思いが強くあった。
しかし、結果から言えば、良太郎はその依頼を受けることとなった。
良太郎の単行本が書店に並ぶと、さっそくとばかりに英吾を経由して夏海からインタビューの申し込みがあった。
英吾からその企画の内容を聞いた良太郎は「無理無理無理」と即答で、首を横に振って断った。
-俺なんて、全く有名じゃないから
-そんなことないって。本いっぱい並んでるもん
-バカ。並んでると有名は別だろ
-あーっ、バカって言ったねっバカって言ったほうがバカなんだからねっ
平行線のそんな押し問答は二週間にも渡り続いた。
その頃の良太郎は、まだまだ自分のことを小説家などと胸を張って言える気持ちにはなれなかった。
たった一冊、世に出ただけなのだ。
これっきれで終ってしまうことだって考えられた。
そんな自分が地方情報誌とは言え、インタビューを受けて紙面に載るなどおこがましい。そんな思いが強くあった。
しかし、結果から言えば、良太郎はその依頼を受けることとなった。


