都内から、電車に乗れば二時間ほどで帰れるとは言え、それでも大学を卒業してからというもの、良太郎は正月くらいしか実家に足を向けなかったため、久しぶりに顔を会わせる友人たちも多かった。
飲み会を計画し人を集めてくれた英吾とすら、電話やメールなどでのやり取りは続いていたものの、お互いのスケジュールがなかなか合わず、ここ一年は顔を合わせることもできなかったほどだった。
英吾を初め、集まってくれた友人たちとの久しぶりの再会に、語り尽くそうとしても尽きぬほどに、話が弾んだ。
弾み過ぎるくらい、弾んでいた。
コンビニエンスストアーすらない団地ながら、団地の外れに小料理屋のような居酒屋はあった。
小さなその店を貸し切りにしての飲み会は、真夜中まで盛り上がって、笑いながらの語り合い、また集まろうなと口々に約束し合いお開きとなったが、良太郎は帰る道すがら英吾を誘い、家で飲み明かすことにした。
まだ起きていた道代も、陽気に酔って帰ったきた良太郎と英吾が楽しそうに飲み始めたのを見て、自分も一緒に飲むと言い出し、結局、三人で飲むことになった。